秋商戦に向けての店作りをさせていただいていますが、県内にお住まいのお客様の動きが鈍いことをとても気にしています。
一方でネットを通しての注文は10月に入ってから動き出した気がしていまして、県内と県外の着物ファンの受け止め方がかなり異なることに考えさせられるところがあります。
問題は「だからどうするの?」ということで、新しい取り組みを考えなくてはならないのかもしれません。
そのことがボヤッと意識の中にあるだけで、次なる一手を見つけ出さなくてはならないと思っています。
お客様様から時々着物コーディネートの相談を受けることがありますが、その中で比較的多いのが、結婚した時期の作った付下げが、この年になると派手に思えるのだが、今でも着られるでしょうか?
という相談と、黒っぽい小紋や紬を普段に着てみたいと思っているが、私に地味じゃないですか?
などなど、“年齢に合った着こなし相談”がとても多い感じがします。
そこで今日は黒っぽい着物を少しでは華やかにする組み合わせの在り方を解説できればと、ある商品をコーディネートしてみたのでご覧下さい、
【40代半ばの人が着こなすとしたら】
紹介させていただく着物は濃い紫地で蒔糊という技法で染めた無地風小紋と云える着物になります。
こちらの着物を40代で着こなそうとすると地味に思えますが、合わせ方で品良くまとめてみました。
心がけたのは見た目に重たく思える着物を軽くすることです。
ここでは白地に銀のアッサリ系の織楽浅野さんの帯で胴の色を抜くことで、見た目の着物の重たさが抜けて、装い明るさが出ます。
このような場合、お客様から言われることは、「派手な帯を合わせたら若返ったりしますか?」との問いかけをいただくことがありますが、野暮ったくなるだけのことで、言葉を替えるなら絵の具を混ぜ合わせるかのようにして赤味を出そうとしても絵の具ではないので筋が通りません。
なので、着物を明るくすることに務めて下さい。
【品良くまとめる】
帯締め帯揚げの合わせ方にも気を付けて下さい。
多くの方がここに暖色系の色を載せて派手さを出そうとしますが、私は上品にまとめることを優先され方が、装いが華やかになります。
ここでは帯揚げに刺繍が入ったもので合わせ、帯締めは優しさを強調させてみました。
ここまでのことが出来たなら、後は何処におしゃれを入れたらいいかを考えてみて下さい。
半衿こだわるという考え方もありますし、ヘアースタイルのある方はおおいに関係してくるかと思います。
【足元のおしゃれにこだわる】
ここでは足元におしゃれにこだわってみました。
お目出度いよそ行きの着こなしとしたこともあり、舟形のエナメル草履台に横巻きがグリーン系のもので、梅が入った吉祥模様の刺繍鼻緒で合わせ、加賀染め足袋に梅柄と合わせて、お祝いモードを演出させていただきました。
自己満足でしかないのかもしれないが、渋い着物が品の良い華やかさを創り出すことが出来たのではないかと思います。
言葉が足りなくて意図する部分を伝えきることが出来なかったかもしれませんが、なんとなくでもご理解をいただけたら嬉しいです。
とにかく綺麗に見せることが大切で、そこに品のいい遊び心が入ると、貴女を美しくしてくれるのではないでしょうか。
抽象的な言葉で結ぶこととなりましたが、25日からの「染帯展」には職楽浅野さんの帯も並ぶので、興味をお持ちの方は是非覗いてにてください。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。