来週22日から開く神無月の会「三職物語」の看板が店頭に立ちました。
開催まであとわずかとなり、気を引き締めて準備を進めているところです。
今回の神無月の会のテーマとなる「三職物語」は私が三件の仕入先にお願いして取り組ませていただいた企画で、京都の染めの野口さん、西陣織の織楽浅野さんの帯、そして東京竺仙さんの江戸小紋をコラボしたお洒落な着こなし提案となります。
私のわがままを聞いてくださって感謝しておりますが、その分、責任も重くてね~
取りあえず、この店が何をしようとしているかを多くの人に知っていただくことに必死になっているところです。
開催日に向けて協賛品が入荷してまいりますが、一足先に竺仙さんの江戸小紋が店に届いたこともあり、織楽浅野さんの帯と野口さんの帯を合わせて竺仙コーナーを設けてみました。
江戸小紋は合わせる帯でTOPが変わるから、着物を着られる側としては便利な着物かと思っております。
この江戸小紋はいろんな染屋さんが作っていますが、伊勢型を使って熟年の染め師さんが手染めした昔ながらの技法をかたくなに守り続けている染屋さんです。
浴衣で「竺仙」の名を知る人が多いと思いますが、江戸小紋へのこだわりは半端ではなく、これまでどれだけお世話になってきたことか・・・
新しいタイプの江戸小紋が届いていてワクワクさせられていますが、その中の一品を紹介させていただきます。
これは江戸小紋柄の縞を訪問着に生かした着物になります。
遠くからは裾模様が遠山の柄になっていて、品のよい訪問着かと思っています。
上前の画像を大きくしてみました。
色合の濃淡がこの着物の価値を高めていますが、着物全体が縞柄になっているから驚きです。
この画像だと縞柄が確認できるかと思います。
高度な技で、染め師は現代の名工と称される浅野栄一氏が染められた着物に違いないでしょう。
そのこだわりは裏地にも現われていまして、八掛も江戸小紋となっているんですね~
四季を問わない柄なので、茶事の席にお召いただけたら素敵かと思っています。
江戸小紋は腕のいい染め師さん一人で着物を作ることはできません。
江戸小紋には上質な型紙が必要とされていて、その型紙がないと着物を染めることができません。
分かりやすく言えば、着物柄を染める設計図のようなものです。
江戸時代から伊勢型紙が使われていて、武士の裃柄を競い合って作っていたことが江戸小紋の始まりだそうです。
型紙を彫る職人さんはキリのような道具を使って彫る訳ですが、「錐(きり)彫り」、「道具彫り」、「突き彫り」、「引き彫り」の4つに分けられます。
画像にアップした訪問着の型紙は「引き彫り」の中の「縞彫り」で、彫るのが難しいと聞いています。
彫った後には型紙を補強する作業が必要で,型紙がよれないように型紙と型紙の間に糸を渡してズレないようにしている「糸入れ」という工程が必要とされます。
これらの工程を終えて染め師に型紙が渡されて染色が始まるんですね~
縞柄を染める職人さんが少ないと聞いていますが、その中の第一人者が浅野栄一氏です。
今回の三職物語では浅野さん染めて縞柄が多く届いていまして、いろんなパターンの縞柄を見ることができます。
またとない機会なので、江戸小紋の魅力に触れていただけたら嬉しく思います。
ちなみに、この訪問着に合わせた帯は織楽浅野さんの袋帯になります。
織楽浅野さんの帯も新柄が多く入ってくるかと思うので、合わせてお楽しみいただけたらと思っているところです。
江戸小紋は説明を聞くよりも目の前で江戸小紋を見た方が理解できるので、竺仙の江戸小紋を見に来てください。
それではこれにて・・・
お休みなさい。