この帯はとても贅沢な帯で 「からむし」 を 「本藍染」(植物染料だけで染めたもの) で、糸を染めてから織った夏用の名古屋帯です。
とは言ってもチンプンカンプン解らない方が多いと思うので、受け売りではありますが少し説明をさせてもらいます。
「からむし」 とは、イラクサ科に属する植物で苧麻 (ちょま) 、「青麻」 (あおそ) とも呼ばれ、室町時代の初め (1394年) 頃から栽培されていました。
しかし戦中戦後の食糧難で栽培面積は極端に少なくなり化学繊維におされて需要が減り滅亡寸前の状態でした。
それが昭和50年頃から少しずつ復活し始めたのです。
素朴な手ざわりが草木染めの優しさに溶け込む 「からむし織り」 は沖縄の宮古島と共に本州ではただひとつからむしの産地である福島県昭和村だそうです。
この写真のベージュ色の糸が 「からむし」 を乾燥し細く裂いた高級な麻糸で、福島県昭和村で栽培されたものです。
その 「からむし糸」 を本藍染めで染めてからグラデーションの縞になるように織ってひといる訳ですから、とても商品価値の高い帯ということになります。
小売店での販売価格は30万円代から40万円近くする帯なんですよ・・・・・・
金額を知って驚いたのではないかな~
では、この帯の締められる用途ですが、季節的には7・8月の盛夏を中心に前後の6月・9月で単衣物の紬や小紋などのカジュアルの着物になります。
何故この帯が贅沢な帯であるかがお解り頂けたのでは・・・・・・
着物の世界には、模様やコ-ディネートの仕方でお洒落を楽しむ考え方もありますが、希少価値のある着物や帯を身に着け素材や技法の技を体で感じて楽しむお洒落もあるんですよ。
いずれも自己満足ですが、こだわりの一流品を身に着けると心までが輝くのはどうしてでしょう・・・・・・
着物にはそんな魔力が備わっているのかもしれませんね。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま






