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景気が低迷すると、どうしても和装業界も元気を失うもので、個性ある商品を作れなくなるものです。
しかし、その中でも頑張っている仕入れ先は必ずいるものです。
その会社の担当者が私の店に紹介したい品があると言って尋ねてきました。
その商品がこの写真の品です。
西陣で織った名古屋帯ですが、模様がとても変わっているでしょう・・・
帯の図案はフランスはパリの「シャンティイ・コンデ美術館」にあるとのことで、15世紀初頭、フランスのボード・ゴルディエ作曲のよる三声ロンドーの「恋のシャンソン」のハート型をした楽譜だそうです。
ハート型の帯、それも楽譜とは実に変わっています。
遊びがあり、音楽をこよなく愛する方には手にしたい帯ではないでしょうか・・・
心引かれた私は、この店の家族になってもらうことにしました。
色無地や小紋、紬などに合わすと素敵でしょうね~
腹の部分は♪を図案化したような写真の小紋柄だけで、帯止めなどで、アクセントを付けて楽しく事もできるのでは・・・
バレンタインデーも近いことです、このハート型の帯で心を通わすのもおしゃれだと思いませんか・・・
¥189、000の価格で店頭に並びました。
着物の「おしゃれ」にはいろんな形がありますが、模様に特徴があるというのは一番わかりやすい表現の仕方だと思っています。
昔の人でしたら、一人だけ飛び出した、いわゆる目立つ着こなしを嫌がりましたが、最近は皆と同じでは面白くないという個性派が多くいらっしゃって、市場に少ない品を探し出し、着物ライフを楽しむ方が増えていると聞いています。
上品でおしゃれなハート型をした楽譜の帯、素材もしっかりしているので、是非、貴方のコレクションに加えて頂けると嬉しいですね~
話は変わりますが、私の店でアルバイトを募集していないかとの問い合わせの電話がありました。
「現在は考えていない」と、お断りをしたのですが、電話を切ってから、どうして私の店に電話をしてきたのだろう・・・と興味が涌きましてね~
するとしばらくして、また同じ方から、募集をするときには知らせてくださいとの電話が再びあり、少し話を聞いてみることにしました。
お年は22歳のTさんという女性の方で、絵が好きで加賀友禅の仕事をしばらくして、今はフリーターだと言っていました。
そして着物の販売はしたことがなく、私のブログを見てくださっているとの事でした。
お断りはしたものの、とても有難くてね~
それは、募集もしていなのに、どうして私の店に電話を入れてみようと思ったのか・・・
これって、とても勇気のいることで、彼女の情熱のようなものを感じさせられました。
私に経営者としての力があったならば、前向きに考えてみたいと言いたいところなんですが、それができないことが残念に思います。
このブログを見てくれているのなら、一度遊びに来て下さい。
コーヒーを飲みながら貴方の話をもう少し聞いてみたいですね~
店にはさまだまな人が尋ねてこられます。
固定客であったり、新規のお客様であったり、仕入先や営業で来店する方もいらっしゃいます。
他にも、電話やメールなどで着物の相談をいただくこともありますが、沢山の関わり合いの中でビジネスチャンスに成りえるヒントが隠されている事があます。
時間が過ぎ、ふと、過去の出来事を思い出すと、チャンスを見逃していたことに気付かされことが、これまでに何度もありました。
それが私の器なのかもしれませんが、商売には「先見の明」というものが大切であることを時々感じている私です。