小売酒販組合から風呂敷についての講演を依頼されているのですが、これまで人前で話をする機会がほとんどなく、ましてや風呂敷にこだわった講演なんてしたことがないために、受けたはいいがどうしたものかと思っていましてね~
最も気になるのは、与えられた時間が2時間というからお察しいただけるかと思います。
せっかくの機会でもり、風呂敷の振興に一役買いたいと考えてはいるのですが、それにしても私にはハードルの高い2時間です。
事務局の方からは風呂敷の包み方の実演に時間を割いていただければ、時間を埋めることができるできるのではないかと提案をいただいたいるものの、それだった初体験のことです。
そこで娘たちとも相談して、風呂敷の包み方を動画に収めて、包み方の講義を長女に使ってもらうことにしました。
これで30分以上は消化できるかと考えているのですが、その方面のことは娘たちに任せることに・・・
そして今日、その録画撮りが店内で行なわれました。
しかしそれどれに1歳数か月の子供がいるもので、その子たちを撮影現場から離さなくてはなりません。
その仕事を私が請け負うったのですが、孫を店から出して店の周りを3人で珍道中。
皆で歩き始めれば、一人はその逆を向いて歩き出すし、危険な用水へ近づく孫もいて、大きな声を上げて気をそらすことにやっきで、挙句の果てにダッコのポーズ。
多少洋服が汚れても気のせず、孫たちと時間が過ぎるのを忘れて遊ぶことができました。
ご近所の方は何をしているのかと思われた方もいらっしゃったでしょうが、私には贅沢なひと時でした。
その間、動画の撮影は順調に進んだみたいで少し安心していますが、それでも二つの包み方しか撮れなくて明日も続けられるそうです。
となれは、明日も孫たちとの遊び時間がありそうです。
ところで、月末頃になると仕入れ先が店を訪ねてくださるのですが、この9月は、総じて物が動いていないみたいで小売店さんに元気がないことを話されています。
どれだけたっても業界が改善されていないことを物語っているかのようですが、ここ数年で廃業される店が少なくない感じがしてなりません。
経営者が高齢で後継者がいないことが背景にありますが、危機感を覚えるのはそれだけではありません。
私たち業界人の物の考え方です。
「着物に関心がない人が多い」から、来店される方やご相談の電話が入ってこないと考えるのか、現在の「店に魅力がない」から誰も相談をいただくことができないと考えるかで、視えてくる世界がまったく変わってくるように思えます。
例えて言うのなら、結婚式や七五三の衣裳を貸衣装やフォトスタジオで調達する人が大半であっても、何人の人はタンスにある着物を着る方がいらっしゃって、その中の何人のかの人が帯を新しくしたいとか、草履とバッグを新調してみたいという人がいたとしましょう。
仮にそこまで至らなくとも、半衿の取り換えができないとか、七五三の着物の縫い上げの仕方が分からないとか、着物を着るにあたって手に負えない物事を抱えたとき、力を貸してくれる人を探すのではないでしょうか?
そんな気持ちで着物で関わりを持つ人がいたとしたら、まさしくそれは着物に関心を持っている方だと思います。
それが長い人生の中で一度や二度のことであったとしても、着物に関心を持っている方だと言い切れるのではないでしょうか?
なのに私たちはそのような人を無視していて、着物離れが進んでいるとぼやくだけで、地域の着物初心者に対して相談がしやすい扉を開いているとは言いにくいものがあります。
立場を変えて足袋や半衿を買い求めたいと思っている人がいたといたしましょう。
その時、買い手側は何処で求めたらいいかを考えた時、大型ショッピングセンター中にある呉服店を思い出したとしたら、昔ながらの呉服店は地域の中に存在していないことになります。
踏み込んで言えば、魅力に乏しい店と言えるのではないでしょうか?
そのような店で新しい商品を見てみたと、行動を移す人はそんなにいない気がします。
これまで私たちの仕事はブライダル産業と縁故や知人との繋がりの中で助けられて来ました。
それが通用しなくなった今、地域の中でどれだけ役立つ店であるかを図られる時代になったのではないでしょうか?
そのことを真摯に受け止め、一つ一つのサービスや品揃えを今一度検証し、そして、一生に何度しか着物に関わりを持たない人に店に足を運んでいただける店にしていかないと未来が見えてこない気がします。
簡単なことではありませんが、日々そのようなことを考えていると何かが変わるものです。
着物離れが止まらないとぼやく前に、この店に魅力が乏しいと考えた方が、できることがいっぱいあるように思えるのですが・・・
私はそのようなことをいつも言い聞かせていますが、足りないものがいっぱいあります。
どうか、率直に聞かせていただけたら改善したいと思っているのでお聞かせください。
少し遅くなってしまいましたが妻に会ってまいりました。
今月は愚痴も多くなり聞きたくないこともあったでしょうが、私たちは元気に生活をしています。
これからも遠くから見守っていてくださいね。
それではこれにて・・・
お休みなさい。