日々仕事をしていて思うことは、どんない素敵な商材があっても、その商品を生かす演出力や、消費をそそる提案力がないと物が売れていかないことを感じています。
言い方を変えるならば、料理の世界は同じようね旬な食材を仕入れても、その食材の生かし方で料理法や味付けの仕方で変わるものです。
一流と称される料理人は、料理法や演出力が満足度を満たすものがあるから、世間の人は認めてくれるのでしょう。
私たちの物販業も同じことが言えます。
特に着物となると、肌着から着付けに必要な和装小物に始まり、要の着物と帯のコーディネートや、その装いを補う帯〆帯揚やげやかんざし、草履やバックに至るまで、ご本人が意図する装いが提供できて満足していただけるものだと考えています。
それはお店によって組み合わせが変わるだけにセンスが問われていて、目利きがお客様に納得できるものでなくてはなりません。
何と何を組み合わせるか?
その提案力がお客様の心に響くものであれば、手にしてたいと思う気持ちが湧き上がるでしょうし、それがお客様の意図するものでなければ、購買力が失われるのは当然のことです。
つまり、店側が揃えている商材と、それを見に来られるお客様との間には目に見えない溝のようなものがあって、その溝を埋めるのが、店側の提案力ではないかと考えています。
その意味でも、商品に添える味付けというものが購買を分ける分岐点と言えるのでしょう。
これは着物の装いうに限ったことではありません。
現在店では、新しい風呂敷の提案を考えていて、新商品を揃えつつも便利な使い道を模索しながら、どうしたら生活の中に風呂敷が溶け込んでいくかを真剣に考えているところです。
これまでにメディアを通して風呂敷の活用法や便利な包み方が伝えられていて、風呂敷が見直されつつあるようですが、目に見えて広がりを見せているとは思いにくいものがあります。
一つには風呂敷を採り上げている店側の提案力の乏しさがあるのではないかと考えております。
おしゃれな模様の風呂敷を揃えても、大きさや素材によって使い方が異なるもので、日常の生活で使うものと冠婚葬祭などに使うものでも風呂敷の種類が分けられます。
加えて近年は、物を入れて持ち運ぶ新しいファション性のあるデザインが注目されていて、風呂敷の種類を揃えておくだけでは単なる食材を並べただけに過ぎません。
ここからどのように味付けをしたら魅力的なものに生まれ変わるのかを提案することで、風呂敷の価値が高まり、お客様からしても満たされるもののになると考えています。
ここに新しい商品の一つとして、デニムの50cm角の小風呂敷を揃えてみました。
お値段は税込み¥1,296の品で、単なるデニムの無地にワンポイントのボタン通しがデザインとして加えられたものです。
素材も柔らかく結びやすくて、これまでになかったユニークな風呂敷かと思っていますが、ここにも生かし方を添えた提案があると価値が進化することでしょう。
風呂敷の活用法も含め風呂敷の見せ方にも試行錯誤していて、手直しをしながら2月23日の風呂敷の日に望むことができればと思っているところです。
オンラインショップにも並んでいますのでぜひご覧ください。
話は突然跳びますが、いろんな方からメールをいただいていまして、感謝の気持ちをこの場をお借りしてお伝えしたいと思います。
ありがとうございます。
一部の人しか解らない話題ですがこの話はここで終えて、昨日、九州の方からメールで着物の着こなしや、お手持ちのきもの再生相談をいただきました。
用件が複雑だったものでお電話を入れさせていただいたのですが、お話をさせていただくと相談できる呉服店がないことを聞かされて、呉服店が遠い存在になっている様子がうかがえました。
全国にこのような方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
こんな店でよろしければ、気軽に相談してみてください。
お買い物がなくても、私にできることであれば力になりたいと思っています。
それではこれにて・・・
お休みなさい。