きもの相談・タンスの中の着物コーディネート

 一人のお客様に5時間近く手を取られ、他の仕事が何も出来なかった一日でした。

今日はその話題です。

 

先日の土曜日に店の寄りたいと電話をいただいた富山県のお客様のことを記事の中で触れましたが、その日は金沢での用事が終わらず日を改めることとなりました。

 

その後、ご連絡をいただき今朝10時過ぎに店に寄りたいとの電話があり、お待ちしていたのですが、お客様の諸事情で店にお越しになられたのが11時30分。

 

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店にお越しになられた目的は、ご自身のお持ちになられている着物や帯、帯〆帯揚げをコーディネートして欲しいとのご相談です。

 

タンスに在るものをお持ちになられていたので、拝見してみると、着物や帯、帯〆帯揚げの量に驚きました。

すべて他の店でお求めになられて商品です。

せっかく店を頼って来ていただいた訳ですから、ご相談にお応えしなくてはなりません。

 

店内に持ち込んでもらって、そこから着物と帯、帯〆帯揚げを合わせて行くのですが、違った店で単品で買い物をしているからでしょうか シックリこないんだな~

 

それでもお客様は、コーディネートが80点以上になるようにして欲しいと言うのです。

 

着物はいくつかのパーツが重なり合って一つの装いが作られるものですが、そこには色合いとか素材、フォーマルとカジュアルなどのバランスというものがあり、何でも合うというものではありません。

 

お客様はその点が理解できていない感じがしました。

 

それから、食事も取らず、お客様のアドバイスが終わったのが午後4時半。正直なところ疲れました。

 

 

少し話しを戻しますが、そのお客様は店のスタッフの友達の友達で、以前、店にお越しになられてオーダーメイドの草履をご準備してくださった方です。

 

着物が好きで、お母さんやご親戚から譲り受けた着物や、いくつかの呉服店で着物や帯を買い求めているうちに、何が何だか判らなくなってしまったみたいで相談にお越しになられたご様子でした。

 

初めてお越しになられた時の店の印象が良かったのでしょう・・・

 

お客様は、一つずつ着物を私の前に差し出し、「これ、私の顔に合います?」、「帯は何を合わせたらいい?」、「この着物と帯だったら帯〆と帯揚げの色を何を持ってくればいいの?」

 

それも正直に言ってくださいと言うのです。

 

中には、「この帯、好きではなかったのだけど、店の方が薦めてくれたので買ってしまいました」

「この帯〆も薦められて買いましたが、何に合わせたらいいでしょう・・・」

 

親しいお客様なら安易な買い物に叱ることもありますが、新規に近いお客様でもあり 呆れて言葉を失う私。

着物のローンも随分あるみたいで、親切でない呉服店さんの姿が浮かび上がるものでした。

 

これが呉服店の売り方だとすると、同業者として情けなくなります。

お客様も好きでないものを買わなければいのに、割引でもしてもらったんでしょうかね~

その心理が私には解りません。

 

今の和装業界はお客様を呼び寄せる仕掛け作りにもっとも力を注いでいて、大切な「きものファン」を創っていくことを置き去りにしているところがあるのではないでしょうか・・・。

 

きもの屋として、着物コーディネーターとして、考えさせられたご相談でした。

 

お客様からいくつか宿題をいただき、責任の重さを感じているところですが、この事が機会となり、本当の意味での店のファンになっていただけるよう努力したいと思っているところです。

 

もしも、今日のご相談者がこのブログをご覧になられていて、言葉の表現や、私の解釈に誤りがあるようでしたらお詫び申し上げます。

 

私の仕事は着物でお客様を輝かせることです。

信じていただけるのなら、一生懸命お仕事をさせていただきたいと思っています。

また、無理な販売もしないのでご安心ください。

 

今月は結果が出ない仕事ばかりでしたが、出会いがあったお客様を信じて、次のご相談を待ちたいと思っています。

 

 

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馴染みのお客様から分けていただいた「ホワイトいちじく」、口にするのが遅くなりましたが美味しかったです。

 

珍しいいちじくをありがとうございました。

 

文がまとまらない記事になりましたが、これで今日を閉じることに致します。

それでは、お休みなさい。

  

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