残すところ今月もあと一日となりました。そこでこの3月を振り返り今後の課題を探り出したいと思います。
冬場に比べれば徐々に客足が伸びては来ていますが、消費に力強さがなく、店の魅力作りが足りていなかったと思わずにはいられません。
店舗の魅力作りは経営の心臓部でもあり、サービスや商品の提供が欠かせないものといえます。
しかし、家業店でできることって限りがあり、生活者の動きを読みながら、地域にあるきもの屋としてミクロでターゲットを絞り込んだ店作りをしてみました。
私が狙ったのは、若いお母さんの「入卒の装い」提案です。
2月を新しい色無地の装いを提案し、この3月は帯〆帯揚げや、かんざしに草履バッグなどの和装小物を採り上げることで、きもの屋さんを身近な店として利用していただけることができないかと考えてのことです。
ここに私の深い想いがありましてね~
私たちのような地域にある呉服店さんは固定客さんに支えられて経営が成り立っていますが、飲食物と違って消費すると消えていくものではないために買い物をするにしても限度があるものを扱ってります。
その中で手を変え品を変えて売り込みをしていますが、いずれ休眠客になっていくのは避けられない現実です。
そこで求められるのが新しいお客様を増やしていくことが健全な姿で、多くの呉服店さんがこの課題に挑んでいますが、休眠客に対して新規客を増えていないのが実情ではないでしょうか?
どうして新規客が増えていかないのかを考えたとき、着物離れが加速していることもあるでしょう。
また、扉がないショッピングモールの呉服店の手軽さと比較して入りにくい店舗であることも考えられます。
手軽さということを考えれば、レンタルやリサイクルショップに魅力を感じている人や、ネットというツールにメリットを持っていらっしゃる方が増えているも否定できない現実です。
つまり、着物が売れているときに新しい出会いに巡り合った関係性を、再び今の時代に生かそうと販促を組んだり、昔と変わらない店作りでは、新しいお客様の心を動かさない時代になってることを自覚しなくてはなりません。
着物を手にしたいと考えている方は、その方の尺度に合った価値ある店を探す時代なったといえるのではないでしょうか?
なので、店の価値を高め、その強みを生かして新規のお客様を増やす努力が実を結ぶと考えています。
その結果が新規客へと繋がるのではないでしょうか?
そのようなことを考えるようになった私は11年近く前にネットから販路拡大に臨み、時間をかけて積み上げてきたことで、少しづつ新しいお客様と出会えるようになりました。
新しい店作りがそこから視えてくる訳ですが、この世界に入り込んで来るお店も増え、仕組みの変化も激しく、能力の乏しいものには激流に流される思いで向き合っています。
それは片時も心を休めることができない競争のようなものがありましてね~
益々サントの質と能力が問われる時代になるかと思うと気も重いものがあります。
今では店作りとして欠かせないものになっていることから、この方面にも努力を積み重ねていきたいと考えていますが、この地域で店舗を持つ者として、地域の「きもの初心者」に優しい店を創ることにも力を注がないと店を持っている意味がないのではないかと考えるようになりましてね~
昔から漠然と考えていましたが、もう少し具体的な取り組み方で地域の方と寄り添えないものかと思い浮かんだのが、毎年入卒に若いお母さんが着物を着る背景が根強く残っていることをビジネスチャンスに変えられないものか?
この人たちに役立つ店が作れたら、その内の何人かが着物の対して理解を深めてくれる人が現れるかもしれない。
かすかな期待を寄せて、その接点を2月3月の店作りに生かしてみることにしてみたのです。
大きな成果を収めるものではありませんでしたが、手応えのようなものが、ほんのわずかばかりあったのではないかと感じています。
大切なのはこれからです。
このことを根強く続けていくことで、入卒に向けての取り組み方を認知していただけるのではないかと考えています。
ここから、新しい着物愛好家の出合いがあると信じて、店の役割をもう一度見直してみたいと思っています。
毎月店の情報紙「あ・うん」を作っていますが、その中に今月の言葉というコーナーを設けています。
4月号は自分に言い聞かせるかのような「ヘンリー・フォード」の言葉を載せてみました。
自分にはできると思うのも、できないと思うのも
いずれも正しい。
なにもかも思いどおりにいかないときは、飛行機だって
追い風でなく向かい風の中で飛び立つこと思い出そう。
決断しないことは、ときとして間違った行動よりたちが悪い。
何をするにしても迷いが付いて廻るものですが、踏み出す勇気を持ちたいと自分に問いかけたくて、この言葉を採り上げたしだいです。
明日は妻の月命日で、一日早く妻に会った参りました。
そこで、
「お母さんがいたなら、我が家族は、この店はどうなっていたでしょう・・・
波風立たずに今日を迎えられているはお母さんのお蔭かもしれませんね。
孫たちの成長を見守っていたください・・・」
心細い日もありますが、目的と夢を持って明日に臨める自分であり続けたいものです。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。