長い間の連休で機能していなかった仕入れ先との関係がようやく動き始め、お客様からご相談を受けてた注文品の段取りや、外回りの用事などで何かと忙しい一日でした。
気が緩んでいた時期を終え、今日から緊張感が走る5月が実働しましたが、市場の勢いは季節の変わり目とあって、これから初夏の商品が動き始めるものと考えています。
なので、そのための準備を終えておかなくてはなりません。
店としてはこの店にあった品揃えを済ませたところですが、次に、お客様や地域の方に季節の移り変わりの中で何を伝え、そして店に足をお運びいただくための販促のようなものが残っています。
この販促というものが家業店がもっとも苦手とする分野で、おろそかにしていると店の存在すら忘れられることもあるだけに無視できません。
毎回頭を悩ましますが、ない頭で、それも急いで何ができるのかを考えてみたいと思っています。
ところで品揃えをする中で考えさせられることがいろいろあります。
特に感じることは、和装に対してリーズナブル感のあるものを求められる消費者が増えていて、そのニーズに応えるために物の生産が海外で作られたり機械化で量産が図れるようになり、お手軽感が着物を消費する人たちを満たすものとなっています。
ある意味で着物を愛用される方には喜ばしい環境なのかもしれませんが、商品の見かけはいいのですが、品質が衰えていたり、最後の仕上げが雑なものが多くて不満を感じてなりません。
私はこのことに危機感を持っていましてね~
納得できる商品が少ないことを思うと、手仕事の商品の良さを熟知した日本人の職人さんが離れていっているのではないでしょうか?
高齢化が進んでいて後継者が育っていないことも考えられるのかもしれませんが、こだわりのある商品が少しづつ消えていっている気がしてならないのです。
長い歴史の中で培われた技は何処へ行ってしまったのでしょう・・・
今や着物は使い捨てに文化になっているのかも・・・
そんなことを考えると寂しいものはあります。
これから初夏の訪れと共に至る所に浴衣が店頭に並ぶでしょうが、流行や市場の流れを見守りながらも何を大切にすべきなのかをもう一度考えてみたいと思っています。
厳しい現実を突きつけられても、この仕事に誇りを持って向き合い、納得できるものを探し出してみるつもりです。
これは竺仙さんの江戸更紗を絹紅梅で染めた浴衣地です。
清涼感があって夏着物としても着れるもので名古屋帯を合わせて大人の味を出してみました。
帯はカニさんを刺繍したもので、帯芯を入れて仕立て上がったもので組み合わせてみました。
絹素材でお仕立て上がり価格は税込62,640円とリーズナブル感を強調したものですが、涼しさを感じていただけるのではないでしょうか?
絹紅梅は絹糸85%と綿糸15%から作られた着物生地で、グレーの墨色と更紗模様の取り合わせがモダンで素敵でしょ・・・
トータルで装いの色が浅いと涼しく感じるものですね。
言葉が足りていませんが、今日はこれで閉店とさせてください。
では、お休みなさい。