日本全国に紬の産地が存在していますが、石川県といえば牛首紬の産地であることはご存知かと思います。
それも私の店がある白山市で織られている身近な着物で、その牛首紬も大きく分けて白生地を織ってから染を加えて後染めの着物と、糸を染めてから丹念に織り上げたの紬の2種類に分けられます。
私は織で縞柄になっている昔ながらの牛首紬が好きで、事あるごと採り上げていますが、これまでに目にしたことのない爽やかな色合いの縞柄を手にすることができましてね~
一日ごとに夏に近づいていてはいますが、気分を変えて単衣の装いとしてコーディネートしてみたのでお楽しみください。
その牛首紬が水色の色が立つ縞柄の紬で、淡いクリーム地の狐の嫁入りの柄の帯で組み合わせてみました。
渋い牛首紬のイメージからは想像できない鮮やかさがあり、全国の紬の産地でも、ここにある色合いの紬は少ないのではないでしょうか?
夏物になって見えるかもしれませんが夏物ではありません。
裏地を付けて袷にもなりますし、5・6月や、9・10月頃の単衣としても着ていただけるものです。
その着物に狐の嫁入り柄の塩瀬帯を合わせて個性的な着こなしにしてみました。
人を選ぶかもしれませんが、これを着こなせたら素敵でしょうね~
不思議な魅力に惹きつけられるものがあり、大正ロマン風にも見えて異国の世界を感じさせられています。
牛首紬の水色の縞と狐の嫁色の帯が重なり化学変化を起こしたかのようです。
私はおしゃれな着こなしかと思っていますが、皆さんはどのようにお感じでしょうか?
次に帯を変えてコーディネートしてみました。
白地の琉球絣の紬帯で組み合わせてたのですが、こちらも素敵な着こなし方かと思います。
より単衣らしいコーディネートになり牛首紬との相性も悪くないと考えていますが、南国の織物の帯を合わせると着物も南国の織物のように見えるから不思議な色をした牛首紬です。
どちらのコーディネートも趣味性の高い合わせ方かと思いますが、染め物に水色の着物があっても織物に水色という色が少ないだけに驚かれたかもしれませんね。
ほんのわずかでも牛首紬の隠れた魅力をご理解いただけら嬉しく思います。
夏物ではありませんが参考にされてみて下さい。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。