これぞ小春日和という申し分のない日になったこの地域の成人式。
雪も風も雲もなく、青空からサンサンと眩しい光が降り注がれていて、最高の成人式だったのではないでしょうか。
その成人式にご出席される方の着付けを頼まれていまして、男性の紋付羽織袴と女性の振袖の着付けを各1名ずつさせていただきました。
見てください、この男性の勇ましい姿。
黒紋付に仙台平(せんだいひら)の袴です。
昨年ご自身の浴衣を誂えてくださったお客様で、成人式に臨むにあたり、黒の第一礼装にしたいとのことで、店からレンタルさせていただいたものです。
成人式の男の和装となると、バカ殿みたいな舞台映えする着物が人気みたいですが、彼のような正統派の着こなしって、見ていて安心させられるものがあります。
これぞ、式典を敬う着こなし方です。
今どきの若い男性にしては芯の通った考え方をしていて、着物が大好きだと言ってくれるから嬉しいではありませんか。
そしてもう一方はお母様のお振袖をお召しになられるとのことで、着物や帯のお直しから始まり、帯〆帯揚げなどの小物を一新しての成人式。
そのお嬢様がこちらの方で、金加工がゴージャスで華のある振袖かと思っております。
古典柄は流行に左右されないので、安心して着れますよね~
こうしてお二人の着付けを手伝わせていただいたのですが、お力になれて良かったです。
あるデーターによると、成人式の振袖をレンタルやお母さん振袖やご親せきから借りて着る人が全体の80%を占めるそうです。
お母さんの振袖を「ママ振り」と言うそうで、新しく振袖を購入される方は全体の20%だとか・・・
個人的な見解ですが、ママ振りを活用される方が増えていて、レンタルや新しく新調される方は年々減少傾向にあるのではないかと感じております。
それだけママの時代の振袖は、皆さんお金を使っていて、品質の良いものを手にされていた時代でした。
それが今では販売の仕方もサービスの在り方も昔とは変わってしまって、おまけに、個人情報保護法によって近隣の振袖対象者リストを気軽に入手できないこともあり、振袖市場に入り込めくなっていましてね~
成人式名簿をビジネスにしている会社が多くあるようですが、振袖に特化することができなくなり、いつしか振袖市場の蚊帳の外で待機している状態で、実に情けなく思っている次第です。
振袖の限って言えば、昨年の「はれの日事件」もあって、レンタルよりもママ振りの着物を活かす方が増えるのではないかと考えられます。
一方でレンタル市場に負けない安価な振袖が出回り、満たされない品質に購入を見送る人が増え、行きつく先は、安心できる店で相談してから選択の道を探る時代が訪れるかもしれません。
それだけ、着物というものが判らなくなっていて、消費する金額に対して安心を手にできなくなっているのでしょう。
その意味で、地域に根付く呉服店の役割が大きくなっていくと思います。
信頼を得るために何ができるかをもっと考えないといけませんね。
外の天気が余りにも良くて、仕事に身が入らない一日でした。
まとまりのない記事になりましたが、これで閉店とします。
では、お休みなさい。