【店主の呟き】
ひろ昔前の昭和の時代だったら、この12月のこの時期にお正月にきものを着ようとする人達が和装小物を探し歩いていて、ザワザワしていたことを思い出しますが、今はそのような面影は影を潜めてしまって、時代が変わってしまったことを悲しく思っています。
今日店の来ていて帯やさんの話によれば、人工10万人当たりの呉服屋の多い県は、1位が福井県で2位が富山県、3位が石川県だそうで、北陸地区が全国で最も多い呉服屋が存在していると言っていました。
耳を疑う話ですが、昭和の時代だったら有りえた話かもしれません。
私の住む白山市にも多くの呉服店が存在していて、無店舗販売の店を含めたら20店舗近い呉服店が姿を消したのではないでしょうか?
現在はショッピングセンターの中にある呉服店さんを含めれば、7店舗くらいかと思っていて、その中でも頑張っているお店はわずか。
着物の需要が減っているとはいえ、七五三や入学式時期になると、着物相談を何処でしたらいいのか分からない、きもの難民が増えている気が致します。
きもの難民の受け皿をどうしたら作っていけるのかが、残された呉服店の課題かと考えています。
それは、きものが分からない世代に対して呉服店を信頼してくださいというだけのメッセージでは、誰も振り向いてはいただけないでしょう。
きもの難民やきものファンを「きものの魅力」で惹きつけられる店を作って行くことが理想で、その理想に近づこうとする好意が私たち業界心に求められているのではないでしょうか?
この店が抱えている課題はそのことで、来年の春に小学校入学式を迎えるお子さんのお母様の着物の装いについてご相談をいただける店にしていけたらと考えているところです。
店と交わりのない方に店に来ていただくことは至難の技かと思っていますが、今日もお母さんの入学式のきものをコーディネートしてみたのでご覧ください、
【蛍絞りの着物に絞り刺繍帯で入学式の装い】
この店が提案するのは、蛍絞りの大人ピンク着物に黄緑色に絞り染した帯に古典柄の宝尽くし文様を刺繍した帯で組み合わせ、フォーマル用の七宝柄の草履とバッグに梅柄の加賀染め足袋で装いをまとめたものです。
優しさがにじみ出ていて素敵なコーディネートだと思いませんか?
合わせた帯が総絞りの帯というから驚きではないでしょうか。
そこに古典柄の宝尽くしの文様を刺繍で加えていて、他にはない珍しい着物コーディネートになったかと思っています。
おしゃれ感もあって若いお母さんに受け入れていただかそうな気がしますが、無地感の着物とあって帯を趣味性の高い帯に替えて、草履とバッグもカジュアル感のあるもので組み合わせれば街着の着こなしとなることでしょう。
参考にばれ幸いかと思っていますが、ここで合わせた絞りの帯をオンラインにアップしてみることとしました。
言葉が重複するかもしれませんが、もうしばらくお付き合いください。
こちらは総絞りの帯に古典柄の宝尽くしの文様をお太鼓と腹の部分に加えたもので、極めて珍しい名古屋帯となります。
帯地の色は黄緑色で、どりらかといえば春を感じさせられる色合かと思います。
このように画像を大きくすると、総絞りに刺繍してあることが確認できるかと思いますが、とても軽い帯であることも特徴の一つかと思っています。
こちらの総絞りの帯に帯芯添えて帯巾を31㎝(八寸二分)に仕立て上げるのが一般的です。
お太鼓にした感じを写したものですが、合わせる着物は無地や無地感の小紋や紬に合わせると綺麗な着姿になることでしょう。
模様が多くある着物にも合わせられますが、着物がゴチャゴチャしていると、刺繍の宝尽くしの模様の存在が薄くなることがあるのでご注意ください。
こちらが腹に出る刺繍模様になります。
この帯がお茶席の場にも締めていただけるもので、色無地に合わせたら素敵でしょうね~
お値段は税込み価格¥242,000の品になります。
ここに帯芯とお仕立て代を加えると、お仕立て上がり価格は¥255,200となります。
総絞りの帯だけに汚れが心配です。
そんなときのためにパールトーン加工をお勧めしていまして、その加工代金として別途¥11,000(税込み)が必要となります。
その加工を加えた場合は総額で¥266,200となります。
大変珍しい帯なので、貴女の着物コレクションの中に加えていただけるものであれば、とても幸せに思います。
それではこれにて・・・
お休みなさい。