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小さな店でも経営者である私は、さまざまな場面でこの店の[あるべき姿]を考えることがあります。
店作りであるとか、販促やお客様との関わり合いといった具体的な事がらから、先々の将来像に至るまで、問題意識を持ちながら仕事と向き合っている訳ですが、どうしても考えているとうりにならないのが経営というものではないでしょうか・・・
特にバブル後の経済状況の中においては、全ての仕組みが変わったかのように、数字が小さくなり、真綿で首を絞められるような厳しい経営に追い込まれている商店や会社が少なくないようです。
この事態を回避するためにも、様々な改善策を考え、努力をすることは経営者の最大の役割だと考えています。
随分大きな話から入ってしまいましたが、現状の和装業界にあてはめてみたいと思います。
かつては私達の産業も2兆円産業と言われていた時代がありました。
それが今では驚くほど市場も小さくなり、着物一筋では存続が難しいと考えている経営者が多い事を仕入れ先の情報などから耳に入ってきます。
みんな必死で、新しい道を探っているのが現在の状況ではないでしょうか・・・
この店にも「儲け話」や新規事業の話を持って数多くの人が尋ねてきますが、「我が道を行く」という感じで 全てお断りしている状態です。
その訳は、一つの物を手にすることが出来ないのに、二つのものを追う器用さを持ち合わせているとは どうしても考えることができない。
何事も一つずつが私の生き方で、受け入れられない理由の一つです。
そしてその他に、言い聞かせていることがあります。
私の考え方がすが、それは、目の前のハードルを越えられなからと言って、そのハードルを避けて、他の道を探すことは止めよう。
仮に違う道を選択したとしても、いづれ越えられなかったハードルが再び現れて、自分に語りかけるだろう・・・
「前に進んだつもりでいたが、結局は何も変らなかった」
「越えられないハードルは、越える為の努力を積み重ねないと、いつまでたっても越えられない、だから逃げてはならないのだ」
「困難というウイルスに勝つことのできる免疫力を育てることこそが、前進へと繋がるカギとなる・・・」
立ちはだかる高いハードルに飛び込むことで、痛みを伴うかもしれないが、必ず免疫力は育つと考えていて、出来なかったことが出来るようになり、仕事にも磨きが掛かると信じてのことです。
こうして経験を積み重ね、周りの人達から認めていただける「和物の専門店」としての店を作りたいんですね~
経営者は好きな道を選択できますが、その先の答えを結果でしか知ることが出来ないだけに、ハードルを目の前にすると迷うものです。
新しい分野を切り開いたことで、積極的な経営者と言われたりしますが、本業が陰を潜めてしまっているようでは、偽りの力強さでしかありません。
私は、培われた経験を生かしてこそ、プロに近づけるのではないかと考えるのですが、皆さんはどのような考えをお持ちなのか教えていただけたらと思います。
難しい言葉を並べて頭が重たくなったのではないでしょうか・・・
赤い座布団(13㎝×13㎝)の上に乗った「貝びな」です。
後ろに並んでいるのがちりめん細工で、10体のお人形を作っています。
玄関先に小さなお雛様で季節を呼び込むのも、気の効いた演出ではないでしょうか・・・
是非、取り入れてみてください。
今日は随分生意気なことを書いてしまいました。
それではお休みなさい。